今年の牡蠣
冬の風物詩である宮城のカキの出荷がピークを迎えつつある。出荷が始まったのは昨年の10月中旬ですが、寒さが一段と厳しくなるこの時期は、特有の甘み、うまみが増し、何といってもむきたてを酢ガキにして味わうのが一番でしょう。宮城県では全国に先駆けてカキの安全・安心対策を実施し、カキの殆どが生食用として全国に出荷されています。
ところが、一昨年の大震災の影響と、夏の厳しい猛暑により生産量が激減しています。カキは、ご承知のように、グリコーゲンのほか、必須アミノ酸をすべて含む蛋白質やカルシューム、亜鉛などのミネラル類をはじめ、多くの栄養素が含まれているため「海のミルク」とも呼ばれている優れた食品ですが、ノロウィルスにも十分注意しなければなりません。
そこで登場したのが、「カキの香油漬け」です。生食のクリーミーな食感をできるだけ残し、中心温度85度で1分間加熱殺菌します。お吸い物程度の塩味で鰹出し汁を沸騰させ、よく水洗いした剥きカキを入れ、再沸騰させた後、アクをすくい火を止め1ないし2分待ち、鍋ごと冷ます。完全に冷めたら汁気を取り、味を調えて1週間ほど冷蔵庫で保存します。