つらいひと時
ちょっとした知り合いの人と話をするとき、何が辛いかというと、「ムサシ君が亡くなって何年になりますか?」と言われた時です。「もう4年を過ぎました」と答えるのが浮世の義理と言うものでしょうから、そう答えざるを得ないのですが、本音を言えば、「毎日私の中で生き続けて普通に暮らしています」と言いたいところなのですが、そうはいきません。
このブログを時々覗いてくださる方は、ムサシの活躍ぶりをよく見ているので、そうした質問をする人は滅多にいません。しかし、質問をする方は、決して悪気があるわけではなく、むしろ、よかれと思って、共通の話題を投げかけたわけですから、本当はその配慮に感謝しなければならないのでしょう。そのことが理解できるだけに辛いのです。
私としては、その後しばらくの間続けられるこの話題が途切れて、他の話題に変わるタイミングをひたすら待ち続けます。それはまるで、嵐が通り過ぎるのをじっと耐え忍んでいる時と同じ思いなのです。「寂しくなったでしょう」とか「もう犬は飼わないのですか」などという言葉も、できれば聞かないで平穏に過ごしたいというのが本音なのです。