テレビ番組のキャスターの一言
先日、日本国土の公示価格が発表されました。驚いたことに東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県の土地価格が上昇していました。よく見ると、被災した地点は評価の対象外だというので一応納得しましたが、被災して家屋を流出した方々の傷口をえぐるような発表だと受け止め、不快感をあらわにする人も多かったのではないでしょうか。
私たちのような被災者にとっては、あまり愉快ではないことは事実ですが、それでも救われたこともありました。それは、フジテレビの「特ダネ」で、この公示価格のことが話題になり、「仙台市若林区の一部では、津波は免れたものの地価は低下した。しかし、家の中はメチャメチャに壊れたのに何の救済措置もない。」そうした声が現地からあったと伝えていました。
救われたというのはこのことです。全国放送のテレビで、こうした現地の声をほんの数秒でも取り上げてもらうことで、疎外感が薄らぐからです。人はどんなに悲しくても、自分の運命を受け入れ将来に向かって立ち上がることはでききますが、疎外感や不公平感を抱き続けるのはつらいことです。小倉さんの一言で少し溜飲が下がりました。