三寒四温のこの季節
私の最も苦手な季節は春です。そのわけはあの憂鬱な花粉症の季節だからです。それに春一番という強風も未だに好きになれません。しかし、わが家のムサシにとっては、春夏秋冬を問わず結構楽しく過ごしてきました。例えば、寒い冬の楽しみといえば真っ白に積もった新雪の上をかけ回り、最後に吹きだまりの中に身体をスッポリ埋めることです。
そんな冬が終わると、雪遊びのことなどすっかり忘れてしまったように、花見三昧の毎日を過ごすようになります。それも街中のサクラの名所を次々に訪れ、少し開花が遅れたりしていると、満開になるまで通い続けて花びらが散り始めるころまで見物します。実はムサシの本当のお目当ては、サクラよりも人が花見をしている姿を見るのが大好きなのです。
華やいだサクラの季節が終わっても、決して楽しみがなくなったというわけではなく、遅咲きの八重ザクラと交代にやってくるツツジにも大変興味があるようです。また、雨上がりのアジサイにも目を落とすことがしばしばありました。季節の移り変わりを見つけて興味を持つといった自然な生き方がムサシ流の楽しみ方だったように思います。