多賀城趾周辺(その1)
多賀城南門跡の近くに覆堂に守られた多賀城碑があります。この碑は江戸時代初期に土の中から発見され、仙台藩が歌枕の"壺の碑(いしぶみ)"としたものです。碑文には、平城京や各国境からの距離と多賀城の創建や修造に関する記事が刻まれています。そして、政庁跡の南側に広がる一帯では約250種、200株以上のあやめ、花菖蒲が見られます。
また、多賀城東門跡と加瀬沼の間の静かな鎮守の森に抱かれるようにして、陸奥総社宮があります。このお宮は、千年以上も前の延喜年間に陸奥国31郡にある100社の祭神を合祀して創建されたものです。社殿にある"疣取り神箸"と"安産枕"は御利益が大であるそうです。安産を祈願する人が一ついただいて帰り、無事に産まれたら新しい枕を添えてお返しするのが習わしとか。
境内の東端には推定樹齢240年になるといわれている白木蓮の木があり、4月上旬から中旬にかけて桜が咲く少し前に見事な花を咲かせます。この白木蓮は多賀城市の保存木に指定されています。昔は道路が整備されていなかったので、参拝者もあまり多くはありませんでしたが、最近は車で訪れる人も増えてきたという人気上昇中のスポットです。