凍み大根と切干大根
野菜を保存する方法の一つに、乾燥させるというやり方が昔からありました。切干大根は、冬から3月ころまでの間、土中に貯蔵しておいた大根を掘り起こし作ります。大根は洗って皮をむき、太めのせん切りか、いちょう切りにします。そのまま、あるいは湯をくぐらせてから、すのこかむしろに広げて、雨露に当てないようにカラカラに干します。
凍み大根と同じように柔らかく戻して、煮付、みそ汁の具、油炒め、漬物などして食べます。一方の凍み大根は、寒冷地ならではのもので、寒さがいっそう厳しくなる正月の終わりから二月にかけて加工されます。ぬるま湯でやわらくもどして煮物などにします。田植時には、凍み大根、凍み豆腐、山菜などとともに煮付として登場します。
凍み大根は、凍る、解けるを繰り返して乾燥させるため、食物繊維やカリュウムなどが増加するので、生の大根とは食感も栄養価も大きく異なります。凍み大根や切干大根は、このように多様な食べ方ができることと、保存がきくため、昔から郷土の食材として愛用されてきました。あめ色になった大根にはぎっしりと旨みが凝縮されています。