仙台セリ
独特の香りとシャキシャキとした歯触りのセリの出荷がもう1カ月以上も前に始まっているという。冬野菜として人気のあるセリは、もともとは湿地や水辺に自生する野菜で、きれいな水が湧き出ている田んぼのそばなどでよく見かけた記憶がありますが、万葉集などにも登場したほどの日本原産の野菜の一つで、最古の香味野菜だということです。
宮城県は全国有数のセリ産地で、市場では「仙台セリ」として知られるほどで、栽培は380年の歴史があり、これからの季節、鍋ものや雑煮に使われる年末に需要が多くなる。京浜地区や秋田、北海道にも出荷されますが、早いものだと、秋田で新米が出回りだすころに作るきりたんぽには欠かせないのがこのセリで、一気に需要が増え始めます。
競り合って生えている様子から「セリ」の名がついたといわれるくらいで、緑一色に群生している姿は見事ですが、ここまで育て上げるにはかなりの工夫と苦労があったことでしょう。なにしろ、5月から8月までは、田に蒔くセリを養成しますが、この行程が成長後の品質に大きく影響します。鮮やかな緑と香りはこうし手作業によって支えられているということなのでしょう。