ソゾミのがっくり漬け
最近は山や雑木林を歩くことはなくなってしまいましたが、この季節になると良く見かけるのが赤く色づいたガマズミの実です。各地の平野から山野に自生していますが、宮城県内ではソゾミと呼ばれています。このソゾミ、はじめのうちは酸味が強くて、生で食べるのには適していませんが、霜が降りるころになると甘くなります。
ちょうどこのころになると大根も甘くなりますので、赤くなったソゾミとともに漬けるのが、「ソゾミのがっくり漬け」です。大根は皮をむき、包丁で裂くようにして乱切りにし、塩をまぶして軽い重石を載せて、一晩下漬けにします。ソゾミは身だけをしごき取って水洗いし、これを木じゃくしなどでつぶして、お好みで砂糖を加えます。
大根はザルにあげて水気を切り、つぶしたソゾミを混ぜて、軽い重石を載せて漬ける。漬けものといえば、塩漬けやみそ漬けが主だった時代に、紅色で甘酸っぱい味は珍しかったようです。どんな食材ともよくあうのが大根ですが、漬けものに多く使われるのも大根が一番多いのではないでしょうか。もちろんソゾミとの相性もなかなかよさそうです。