ごろんべ鍋
宮城県の栗原地方に伝わる「ごろんべ鍋」は、その昔、五郎兵衛さんという人が好んで作ったことから、その名がついたというドジョウ鍋のことです。ドジョウは土の中で生きているから「土生」という語源になったといわれるだけあって、池沼や水田、小川などの泥底にすみ、冬は泥の中で冬眠するという一風変わった魚の仲間です。
しかし、このドジョウ、栄養面ではライバルのウナギに匹敵するほどで、タンパク質、無機質類、ビタミンA、B2、Dなどが豊富です。ドジョウは丸ごと食べるので、カルシュームの補給にもなり、精力がつく食べ物と言われ、夏バテ防止や栄養補給のために好んで食べられてきましたが、農薬の影響で一時期は激減したが、近年は再び増えてきています。
ドジョウは泥臭いので、少なくとも一日から二日は真水に放し、十分にどろを吐かせる。鍋に油を熱し、ドジョウを入れて蓋をして静かになったら、酒と水を入れる。里芋を四つ切にして、さっと茹でてぬめりを取る。他の野菜は大きめの短冊切りにする。凍み豆腐はぬるま湯でもどし短冊切りにする。鍋にゴボウ、凍み豆腐を入れて、5分ほど煮てからネギ以外の野菜と酒粕を入れてコトコト煮る。醤油と塩で味付けしネギを放して火を止める。