丸森のへそ大根
宮城県の最南端に位置する丸森町では、特産品の「へそ大根」が作られ、古くから保存食として親しまれてきました。見た目がへそに似ているという変わった形からその名がつけられたという大根は、丸森町の筆甫(ひっぽ)地区で作られているもので、収穫した大根の皮をむき、厚さ2cmほどの輪切りにしたものを一度ゆで、竹串に刺して冬の天日にさらします。
昼夜の寒暖の差から凍ったり解けたりを繰り返すことで甘みが凝縮され、きれいな飴色に染まっていきます。最盛期は2月ということなので、最も寒い季節が最適だということですが、同じ丸森町内でも筆甫地区のような山間地でなければ作るのは難しい。調理は煮物に限るようで、生よりもしっかり味が染みて大根の風味と甘さが格別です。
へそ大根は、季節限定で丸森町内の農産物直売所で販売しています。しかし、調理するのが苦手という人や今すぐ食べたいという人には、おすすめの場所があります。それは、仙台市内にある「旧伊達邸鐘景閣」です。ここでは、本格的な会席「箪笥料理」の中で提供してもらえますし、他にも地元の食材を使った多彩な料理が楽しめます。