ロワイヤルテラッセ
ロワイヤルテラッセが誕生したのは1991年。従来は和と洋を融合した菓子作りに力を入れていましたが、本格的な欧風ギフト菓子に挑戦することにしました。最初はサブレです。クッキーよりもバター風味が強く、サックリとした食感が特徴のサブレ生地にダマンドポテトをサンド。ダマンドポテトは発酵バター、アーモンドパウダーを加えたサツマイモの餡で、さらにサブレとの間をホワイトチョコレートで繋いでいます。サクサクとしたサブレ、しっとりしたダマンドポテト、トロリと溶けるチョコレート、そしてバターの豊かな風味と控えた甘さで、いくつもの食感と味わいが広がります。王室のテラスに流れている心豊かな時間を演出する菓子、そのような思いを込めてロワイヤルテラッセと名づけ、日立システムズホールに近い青葉区旭ヶ丘に菓子と同じ名前の店を1992年にオープンしました。コンサートホールの余韻と共に優雅なティータイムを楽しんでいただければ幸いです。
オリジナルのリボンで包装され、ダックワーズ、マドレーヌ、アーモンドパイも好評を博し、また販売する店舗も増えました。ブランドとしての挑戦は、モンドセレクションの出品です。モンドセレクションは1991年EU(当時はEC)の本部のあるベルギーのブリュッセルに設立された、消費者製品(コンテスト用製品ではなく、実際に製造・販売されている製品)を評価するコンクールを実施する機関です。菓匠三全はロワイヤルテラッセが洋菓子の原点の地でどう評価されるか確かめようと、エントリーしました。食品部門の審査は、孤立した専門家が表示と実際の成分、栄養価などの客観的な試験、さらに味、香りなどについて採点し、品質を評価するものです。ロワイヤルテラッセからは4品が最高金賞を同時に受賞しました。当時、これほどの品質が本当にできるのかと驚かれ、審査委員長と理事長が2名で仙台を訪れました。
工場とお店を見学、さらに、ハイレベルの菓子を支える仙台のマーケットを調べて、納得した経緯がありました。その後も出品を続け、ロワイヤルテラッセブランドの菓子は最高金賞・金賞を連続26年獲得しています。さらに、2016年に始まった審査員賞(プライズ・オブ・ザ・ジュリー)で、同社の「アーモンドパイ」が第1回の受賞となりました。この賞は味や精巧さ、革新性など製品の卓越性を評価、食品部門から1点のみ選ばれるものです。名誉ある受賞であり、一方で評価に応える菓子作りを続けようという気持ちも高まりました。世界中から吟味した原料を集め、菓子職人の手作業を含む技をさらに向上させるべく努力しています。ロワイヤルテラッセを、大切な方へのギフトとして、また、自分が優雅にティータイムを楽しむ菓子として、身近に置いて見られてはいかがでしょう。