みやぎの銘菓(その4)
《梅花堂塩釜本店:ずんだロールケーキ》
正7年、塩釜に店を構えて100年の歴史をつなぐ「梅花堂」。初代の菓子屋から、現在の和洋菓子店になったのは昭和初期。以来、太平洋、塩万寿など、地元に由来した銘菓を生み出してきた。17年前に発売されたずんだロールは、山形県鶴岡市のだだちゃ豆と地域素材の美味しさが詰まった和風ロールケーキ。季節によって泡立ちを変えるふんわりとした食感の生地と、白飴を混ぜて作るクリームにはづんだがたっぷり。ビタミンや鉄分を含むづんだは栄養豊富で、育ち盛りのお子さんのおやつとしても人気が高いロールケーキだ。
《榮太楼多賀城店:古代米くるみゆべし》
奈良時代に創建され、陸奥国府として栄えた悠久の史都多賀城。この地から、古代米の一種である「黒春米」と書かれた木簡が出土している。そんな希少な地元産古代米をゆべしに混ぜ込み、相性の良いクルミと一緒に絡めたのが「古代米くるみゆべし」。もち米を粉にして、醤油と水飴を練り上げて蒸かすゆべしは、宮城を代表する郷土菓子だ。多賀城榮太楼のみで売っている本品は、古代米をふんだんに使い、甘さ控えめながらもしっかりとした味わい。ポリフェノールも多く、健康にもやさしい。
《お茶の井ヶ田:千日餅》
2012年の発売以来、秋保の郷土菓子として愛され続ける「千日餅」。秋保の千日回峰行者が被る網代笠を象った餅製半生菓子だ。独自の技法で煉り合せたモチモチとした食感の皮の中には、香り高い飴がたっぷり。味はつぶ餡、ずんだ、金ごまの3種類。いずれも健康面に配慮した希少糖が使われ、その甘みは極上品。「大変美味しいので、ぜひ宮城の新名物にしたいてすね」と、この菓子の名のもとになったという秋保慈眼寺大阿闍梨。袈裟になぞらえた専用箱に入れて、美味しいお茶とともに。