わが家の庭にも梅の花が
まだまだ寒い日が続きそうですが、やはり立春を過ぎると日差しが少しずつ温かくなってくるのが感じられます。わが家の庭には、梅の古木がありますが、その木にたった一厘ですが小さな花を咲かせていました。その凛とした姿は、律儀に毎年訪れるウグイスをがっかりさせまいと、頑張っているように見えます。僕たちが寒い寒いとチジコマっている間に、自然界では、着々と春を迎える舞台装置づくりが進んでするようです。ボクも、たまには、引きこもりがちのオヤジを外に連れ出そうと思いました。
ところが、オヤジはこのところ、引きこもりがちどころか少し元気がないのです。まさか、先日お母ちゃんから受けたパンチから、未だに立ちあがれないというわけでもないと思うのですが、とにかくふさぎがちの毎日です。お母ちゃんも心配そうで、営業時間を多少延長する姿勢を見せていますが、そういう問題ではないようで、ライフスタイル自体がこじんまりとしてきて、ボクが話しかけても、あまり気分が乗らないようなのです。それでも、特に体調が悪いわけでもなさそうなので、しばらく様子を見ることにしました。
こうして数日が過ぎたある日、「ムサシ散歩に行こう!」と、突然言い出しました。ボクはいつでもOKなので、早速応じると、いつも通りのオヤジに戻っていました。「ここ数日の落ち込みは、いったいどうしたことか!」と尋ねようと思ったのですが、そのことが原因で、また落ち込まれても困るので、お母ちゃんもボクもそのことには触れないことにしました。そのオヤジが、梅の花を見て、「今年もウグイスが来てくれるかな!」と呟いていました。その姿は、明らかに肩の荷が下りたようなので、これ以上詮索しないことにします。