お母ちゃんが開発した新しい技
お店の留守電には「本日の営業時間は終了しました...」というアナウスが録音されています。その点からいうと特に目新しいことではないのですが、お母ちゃんが最近導入した「本日の営業時間は終了しました...」というフレーズを使うようになったのは、あるテレビ番組がヒントでした。その番組では、中々寝床に着こうとしない子供をその気にさせるためにお母さんが打ち出した秘策がこのフレーズでした。そのヒントは、デパートの営業終了コールと蛍の光のメロディーに誰もが素直に従うことだったそうです。
そのテレビ番組を見ていて、閃いたのがわが家のお母ちゃんというわけです。早速、その晩から使い始めたところ、オヤジも、「本日の営業時間は終了しました...」と言われてしまうと、こまごまとした用事を頼みにくくなってしまい、しぶしぶ自分でやるしかないと思うようになりました。もちろん、これはお母ちゃんの洒落なのですが、それでも、一つの意思表示としての意味はあったようです。初めは冗談のつもりのようでしたが、その効果を実感するや、最近では、営業時間を突然短縮してしまうことがあります。
オヤジにしてみれば、先日の風邪よりもダメージが大きいらしく、傍で見ているボクとしても何と言葉をかけていいのか困っています。しかし、お母ちゃんがこの方法を開発するに至った背景を考えると、「そうだったのか」と納得する面もあります。というのも、お母ちゃんが疲れているとき、「大丈夫か」などとオヤジは声を掛けるが、口だけで体は動かしません。こうしたオヤジの態度を、長年苦々しいと思っていたようです。いっそのこと、手土産を添えて謝ってしまってはどうか。何しろお母ちゃんは長方形の紙が大好きだから。