日本刀の源流(その1)
近ごろ、女性の間では日本刀の人気が高まっているそうです。日本有数の刀剣コレクションを誇る東京国立博物館には名刀を一目見ようと女性客が殺到しているとか。火付け役となったのは、実在の名刀を擬人化したゲーム「刀剣乱舞」ですが、実物を目にしてその姿の美しさに魅せられ、全国各地に伝わる名刀を探し求めて博物館や美術館を巡る人が後を絶たないという。
「折れず、曲がらず、よく斬れる」ことが刀の基本とされる日本刀ですが、武器としてだけではなく、武士の魂とも言われるように、心のよりどころとして、日本の心の象徴として扱われてきました。もちろん、美術品としても価値が高く評価されていますが、宮城県にも歴代の仙台藩主が神社に奉納した刀剣や、日本刀の源流とされる奥州鍛冶が手がけた刀が今に伝わっています。
刀剣愛好家や昨今の刀剣ブームでその魅力に惹きつけられた「刀剣女子」たちが足繁く訪れる私設美術館が大崎市岩出山にあります。JR陸羽東線の有備館駅の隣にある「中鉢美術館」がそれで、向かい側には岩出山伊達家の学問所だった有備館があり、この地に根づいた歴史と文化を感じさせられます。中鉢美術館は全国でも珍しい日本刀専門の美術館です。中鉢館長は、優れた刀剣制作技術を持つ奥州鍛冶に魅せられて2010年に開館しました。