竹駒神社
竹駒神社は、日本三稲荷の一つであり、正一位の大社です。大晦日から三が日にかけて45万人もの人々が初詣に訪れ、県内では鹽竈神社と並び称される賑わいを見せます。祀られているのは衣食住の守護神である倉稲魂神(うかのみたまのかみ)、稚産霊神(わくむすひのかみ)で、古くから農業の神様として人々が祈りを捧げてきました。一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居を辿っていくと、見事な彫刻を施した隋身門、向唐門、そして赤い大提灯、干支である申を描いた縦1.8m、横3mの大絵馬が迎えてくれます。
この神社は、今からおよそ1200年前、陸奥国司の小野篁(たかむら)が京都の伏見稲荷から分霊を移したことに始まります。その際、街道を進み、橋を渡ったとき、分霊が白いきつねとなってこの場所へ来て消えたと伝えられている。「この場所は、神様が選ばれた霊地なのでしょう」。その場所に先日の早朝、きつねがいたというから驚きです。現れたのは奥宮の鳥居ということです。社殿の裏には鎮守の杜を背に奥宮があります。日本の信仰の源流にあるお山信仰の小さな社で、この地は竹駒神社創始の頃から寶窟山と称されていました。
境内をあらためて見てみると、愛宕神社や八幡神社をはじめとする小さな社の数々、摂社や末社と呼ばれるもので、庶民信仰の篤い稲荷神社には特に多く見られるそうです。社殿を参拝した後は、小さな社を一つひとつ巡るのも豊かな時間になるかも知れません。また、この神社の最大のお祭りは、旧暦2月初午の日から7日間にわたり行われる、五穀豊穣・商売繁盛・家内安全を祈願して行われる「初午大祭」です。この祭りの一番の見どころは、竹駒奴の練り歩き行列で、全国からの参詣者で賑わいます。