白石湯沢温泉 旅館やくせん
白石市の南部、旧七ヶ宿街道の下戸沢宿近くに位置する旅館 やくせん。近くには材木岩公園もあるこの温泉は、100年以上前から自然にお湯が湧き出ていたと伝わっています。江戸時代、大正時代には湯治場となっていましたが、その後は廃れてしまったとか。しかし、その後、現在の館主が土地と温泉の権利を譲り受け、1994年に旅館を建てて湯沢温泉を再建したのだそうです。
広いロビーには、昔懐かしいだるまストーブがあり、薪が赤々と燃えていて心まで温まるような気がします。吹き抜けのロビーには、大木を輪切りにした厚い一枚板のテーブルが置かれ、壁には蓑やこけしなどの民芸品が飾られていて見応えがありますが、これらは、お客様から頂いたものが多いそうです。客室は16畳ほどで、かなり広く感じます。床の間には絞りの柱、欄間風の飾り長押しは自然の形を生かしたカヤの木など、惜しげもなく使われた銘木が和室のよさ、寛ぎを醸し出しています。
浴室は、庭を眺めながら入れる造りで、泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉です。アトピー、五十肩、筋肉痛、動脈硬化、高血圧などに効能があります。無色透明の湯にとっぷりとつかれば、体の芯まで温まります。そして、爽やかな湯上り後の楽しみは食事ですが、米と野菜は自家製で、他の食材は地元産を中心に使っています。女将さんが自ら作る漬物は逸品ですが、果実用のブランデーでつくる梅、ブルーベリー、アロエなどの食前酒なども、とてもおいしい。