70年ぶりの「ハチ公像」
忠犬ハチ公で有名な、JR渋谷駅前の「ハチ公像」が、東大の構内に造られるそうですね。今度の像は、70年ぶりに再会した主人とのツーショットだそうですが、その話を聞いて少し複雑な気持ちになりました。というのは、主人が亡くなったのを知らず、10年間も駅前に迎えに出ていたというのですから、気の毒でたまりません。たぶん、彼は主人が亡くなったことを認めたくなかったのでしょうね。
しかし、少し疑問に思うのは、ご主人はなぜ彼に亡くなったことを伝え、その後の付き合い方について話し合わなかったのでしょうか。ボクとオヤジの関係は逆ですが、おかげさまで毎日オヤジと一緒に過ごしているので、あのように再開を喜ぶシーンはこれからもないと思います。ただ、70年ぶりに再会する気持ちを考えると、ここは素直に喜んであげるべきなのでしょうね。
美談は美談のままでそっとしておくのがいいのかもしれませんが、そうだとしても、今度の像の設置場所がなぜ東大の構内なのかについては些か合点がいきません。関係者の説明によると、ハチ公のご主人が東大の教授だったからということですが、70年ぶりに再会を果たす場所としてはあまりにも唐突な気がしませんか?やはり絵になるのは、長年待ち続けた渋谷駅が相応しいのではないでしょうか。