二十三夜堂
仙台市青葉区北目町の天台宗北目山「賢聖院」は、「二十三夜さん」として地域住民に古くから親しまれてきました。創建は延久元年(1069年)で、その後慶長5年(1600年)に伊達正宗によって現在の場所に移建されました。仙台城下では、芭蕉の辻と並んで高札場が置かれた重要な場所で、境内では富くじなどが行われ、大変にぎわったということです。
本尊の勢至菩薩は月の化現であり、昔は旧暦23日の夜、人々が集まって食事をしたり勤行をしながら深夜の月の出を待つ「二十三夜講」が行われました。関東以北で勢至菩薩をご本尊として祀るのは、このお堂が唯一だそうです。知恵を司り、広く強い力で現世の人々に御利益をもたらします。また、午年を守護するとともに女性を守る菩薩様でもあります。
お正月の三箇日はご開帳されて、ご本尊の勢至菩薩像が拝観できるそうです。午年生まれの方のご祈祷も、当日直接受け付けてくれるという。四畳半ほどのお堂は、厳粛な雰囲気に包まれた別世界を思わせます。お正月やどんと祭だけでなく、お参りはいつでもできますが、ご開帳は23日の月縁日のみで、この日に詣でると大きな御利益が頂けるそうです。