北上川・運河交流館 水の洞窟(その1)
石巻駅から西北へ歩いて20分ほどのところに、「北上川・運河交流館 水の洞窟」があります。環境と一体化した美しい施設ですが、震災の被害によりダメージを受け、現在は休館中ということです。被害の状態は、コンクリートの壁や階段の一部が崩落し、建物の上部の遊歩道に大きな段差ができましたが、展示スペースには幸い浸水しませんでした。
旧北上川と鳴瀬川の河口を結ぶ全長12.8㎞の北上運河の歴史は、明治時代初期につくられた幻の「野蒜築港」に遡ります。明治政府が東北開発のために野蒜地区に国際貿易港を築くことを計画した際、旧北上川や鳴瀬地区から船で物資を運搬するためにつくられたのが、この北上運河と東名運河でした。両運河が完成した当初は大変な賑わいだったそうです。
しかし、明治17年の台風で崩壊し計画は頓挫してしまいました。その後、物流は陸送が中心となり、運河は忘れ去られた存在になってしまいました。そこで、1999年に川と運河をテーマにしたミュージアム「北上川・運河交流館・水の洞窟」がオープンしました。日本初の運河館として、国内外のあらゆる運河情報を映像などで解りやすく解説しています。