わが家のムサシはあまり急激な変化を好まない保守的なワンちゃんですが、それは私たちも似たようなもので、こうしたい、ああしたいと思いながらも、結局は何もしないで毎日を過ごしてきました。そうした不精なところがムサシの性格にあっていたのかどうか解りませんが、とにかく、与えられた環境に適応する自然な生き方が好きだったのでしょう。

私たちも、ムサシに合わせることを口実にして、なかなか重い腰を上げようとしないで長年過ごしてきましたが、今年は思い切ってあることを決行することにしました。それは、ムサシのために庭に敷きつめた人工芝をはぎ取ることにしたのです。ムサシが芝の上でくつろぐことはないとは思いながら、無用の長物となっていた人工芝だったのです。

取り除いてみると、意外とさっぱりして、ムサシも結構気に入っているようです。これまで何が不便だったかというと、芝の下から生えてくる雑草を取り除くのが大変だったのです。たったこれだけのことを決断するのに、数年の歳月を要した理由は一体何だったのかと考えながらムサシを見ると、少なくともボクのせいではないよという顔をしていました。