サンマの昆布巻き「リアスの詩」
宮城県産の昆布と地元女川に水揚げされたサンマを使った「リアスの詩」は、女川町の有限会社マルキチ阿部商店の主力商品です。「リアスの詩」は、軟らかく滑らかな口当たりと奥深い味わいが人気で、宮城県水産加工品評会で「農林水産大臣賞」を受賞しています。地元の品を地元で作りたいという思いで、津波の経験を力に女川に踏みとどまっています。
津波では甚大な被害を受けましたが、観光施設「マリンパル女川おさかな市場」内の直営店にあった木製の看板が、ビルが流失するほどの大津波にも関わらず、瓦礫の中から見つかりました。さらに、昆布巻きの原料が津波の被害を免れたことや従業員が奇跡的に全員無事だったことが、営業再開を決心させる大きな力となったのだということです。
10月には町のかまぼこ工場の一角で、主力商品のサンマの昆布巻き「リアスの詩」の製造を再開しました。女川の原料を使って、生まれ育った女川の復興に貢献していきたいと専務の阿部さんは力強く語っています。一口ほおばると、全国に広がる大勢のフアンが待ち焦がれていた理由が納得できます。感謝の思いがきっと伝わることでしょう。