風の沢ギャラリー
自然豊かな栗駒高原のやまあいにある風の沢は、涼しい風が吹き抜ける避暑地です。「風の沢ギャラリー」はこの里山にあるかやぶき屋根の家を利用したギャラリーです。10年近くの年月を掛け、使われなくなって放置されたままの古い農家を地元の大工さんやお年寄りの協力を得てコツコツと直し、2007年秋から宮城県栗原の地に「風の沢ギャラリー」として見事に甦りました。
開館以来、ドンブク(古い褞袍)や焼き物、ガラスなどの展覧会をおこなってきましたが、この度、風の沢ギャラリーの新しい形として、この古い建物と里山を使って美術館に見立て、1年間一人の作家の作品を展示することにしました。古い建物、里山と現代アートという異質なものを融合させた企画が、四季を通じて、どのように見えるのかを思考してみようという試みです。10月30日までは現代生け花作家・松田隆作展を開催中です。
20年以上誰も人が住んでいないこの家は、鬱蒼とした木々に囲まれ、投げられたゴミの中に埋もれ、朽ちようとしていました。裏山の土が崩れ家の中に入り込み土台、床は腐り建物は傾き痛々しい姿でした。しかし、幸いな事にトタンで守られていた屋根のお陰で構造材に傷みはなく、屋根も差しガヤとよばれる方法で直す程度でした。築200年の古民家は、現代アート、企画展、能舞、出張ランチなど多彩な表現空間生まれ変わりました。