ムサシのおまじない
ムサシが旅立ってからというもの、体調が思わしくないためか何をやっても根気がなくなったように思います。例えば、せっかく仲良しになれたレオ君とも最近ご無沙汰だし、体調が悪いことを理由にして、積極的な取り組みから逃げているようにも思います。そんな時ムサシの顔を覗くとやはり悲しそうに見えます。
ムサシには私の心は全てお見通しなので、弁解や隠し事は通じませんが、時には愚痴を言いたくなることもあります。特に体調が思わしくない時などには、"ムサシ何とかしてくれ"などと取り留めのないことをいってしまいます。どんな時でも決して弱音を吐かなかったムサシから見ると、オヤジしっかりしろと叱りつけたいに決まっています。
しかし、ムサシはにっこり笑っておまじないをしてくれます。人間のように「イタイノイタイノトンデユケ」などというありきたりなものではないのですが、はっと我に返ると痛みも和らいでくるから不思議です。よく考えてみると、これはおまじないというより私の緩んだ心にカツ入れてくれているわけですが、私にとっては何よりの薬になっています。