仙台白菜の漬物
明治時代に中国の華北から導入して、松島白菜を育成したのが始まりですが、その後色々と改良が重ねられ、京浜市場に出荷されるようになると、関東では「仙台白菜」の名で知られるようになりました。当時白菜の需要は殆どが漬物用でしたが、仙台白菜は組織が硬すぎず、旨味のもとであるアミノ酸が多いので、白菜漬けは美味しいと評判になりました。
漬物を作る上で大切な条件は、漬かりやすいこと、適度の柔らかさと歯ごたえがあること、漬けこむほどに味が良くなること、美味しさが長持ちすることなどの条件を備えていたことなどですが、評判を呼んだのもこうしたことによるものでしょう。かつて、冬場は漬けものが何よりもおかずだったので、冬に備えてどこの家庭でもたくさん白菜をつけたものでした。
白菜は漬けるとカサが減ってしまうので、大量に漬けこんだあと、カサが減ったら上に同じように漬け足していき、桶の縁の高さになったら、押し蓋と重石をします。漬け汁が上がったら、重石を軽くします。途中で変質しないように2、3回漬け替えしたりします。唐辛子のピリッとした感じと枯れた味、適度な噛み心地が何ともたまりません。