旧伊達邸「鐘景閣」
仙台市の中心部から車で約25分の所にある旧伊達邸「鐘景閣」は、明治維新により藩籍奉還された後、伯爵家となった伊達家の邸宅として建てられたものです。廊下の戸にはゆがんだガラスがはめ込まれているので、窓越しの景色はまるで湖面のように見えます。手入れの行き届いた枯山水の庭園、天井の高さ、欄間の彫物、襖、どれも本物を感じさせます。
年賀の儀式が執り行われた「大書院」や親しい人との接見の場だったという「居間書院」など各部屋は建造当時(明治後期)の名を残しています。また、「台所」や「女中部屋」も原型をとどめており、華族の華やかな暮らしぶりが偲ばれますが、4名様以上なら好みの部屋を貸し切りにできるということなので、ゆったりと会食することができます。
「鐘景閣」は、昭和22年に昭和天皇が東北地方を行幸された時の宿泊所となったこと、平成9年に天皇・皇后両陛下が第48回全国植樹祭に行幸されたときにも休憩所として使われたことでも知られていますが、「箪笥料理」でも有名です。それは、伝統工芸品の仙台箪笥のミニチュアに季節ごとに趣向を凝らした会席料理が納められているあの料理のことです。