看板商品と看板犬
当店の看板商品は「笹竈ザプレミアム(笹かまぼこ)」で、看板犬は不肖ながらボクが勤めています。といっても、ボクはあの世へ旅立ってから、もう十数年になりますので、お客様にその姿をお見せすることができませんので、看板犬としての役目を果たせているかどうかが心配です。それでも昔からのお得意様からは、「ワンちゃん元気ですか?」などと聞かれたりすることもあるようで、まだ多少の存在感は保っているようです。ところで、一方の看板商品の「笹竈ザプレミアム(笹かまぼこ)」の方ですが、発売開始から数年も経過しているというのに人気が衰えることもなく、むしろ最近になってようやく浸透し始めてきた感じがしています。これにはいくつかの原因が考えられます。その一つが、国道沿いに"ここでしか買えない笹かまぼこ"という幟(旗)を掲げたところ、「ここでしか買えない笹かまぼことはどれですか?」といって店を訪れるお客さんが増えたことです。また、この商品(笹竈ザプレミアム)を販売したいので、卸してくれないかという問い合わせもいくつかありました。
原料の調達が難しいことに加え、製法にも特別こだわっているので、販売チャネルは当店のみとさせていただいています。お客様の「美味しい」という率直な感想が多く寄せられるようなったのをきっかけに、この「幟」を立てたことが大きかったと思います。二つ目の要因としては、ブログのタイトルであります「すゞき物産 美味しいもの情報」「すゞき物産 みやぎの見どころ」「すゞき物産 わが家のムサシ(本ブログ)」などへのアクセス数が順調に伸びているため、読者の皆様から口コミによる影響も大きかったようです。専門家からは、よりITを駆使してもう少し時代に即した販売方法を開発すべきというアドバイスをいただいておりますが、当店は「お土産屋」ですから、旅の途中で立ち寄った時に潮の香を感じながら試食を味わっていただくというのがセットになることで、はじめてお土産としての付加価値が生まれるものだと考えております。従いまして、この頑固一徹な方針は変えるつもりはありません。またこの方式は、お客様のご要望に応えるコミットメントであり、当店の一方的な都合で軽々しく変更すべきものではないと考えております。
実はボクもこの頑固さは嫌いではありません。いったん住所・氏名・メールアドレスなどを入手すると、まるで税金の督促のように飛んでくる販促メールなどには辟易しているからです。これは単なる販売促進であり、親切心が欠けているような気がします。ビックデータを解析してマーケティングを行っているつもりであれば、相手の事情をよくリサーチして、まずは提案してみるというのが筋のような気がします。しかし、今のやり方は、「下手な鉄砲も数うちゃ当たる」式のものや、「買わないと損をとしますよ!」という体のいい"脅し"のようなものさえあります。こうした世の中の流れに逆らって生きることは、場合によってはつらいこともありますが、わが家の住人はそろって頑固者であることが誇らしくさえ思います。ちなみに頑固者とは、一般的に言って融通の利かないものという印象が強いかも知れませんが、オヤジもお母ちゃんも全くそういう人ではありません。特にお母ちゃんは融通が利きすぎて、時には自分が犠牲になることもしばしばあります。こういうごく普通の人が普通に暮らせる社会が好きなだけなのです。