いなか道の駅 やしまや(その1)
宮城県の南部を流れる阿武隈川沿いに山へ向かって進むと、丸森耕野地区にたどり着きます。ところどころに小さな棚田があり、人家はまばらで、まるで隠れ里のような雰囲気です。かつて伊達政宗が米沢から連れてきた忍者を住まわせたという話が残っているのも頷けます。1月初め、「いなか道の駅 やしまや」の2階には、出荷直前の「ころ柿」約3万個が干されています。柿農家の三代目で店主でもある八島哲郎さんに、丸森耕野地区の特産品「ころ柿」について、これを進める理由をお聞きした。
まず何と言っても食べやすい。外側はやわらかく乾燥し、中はゼリー状で、硬さといい、甘さといい、長い歴史の中で残ってきた本物の味わいです。丸森の「ころ柿」は、柔らかい「あんぽ柿」と、硬く乾燥した「枯露柿(ころがき)のちょうど中間あたり。使っている柿の種類は3種類ですが、主力である「蜂屋柿」は、ほどよい甘さで小ぶりの「ひらたねなしがき」と大きめで強い甘味が特徴の「おおたねなしがき」です。
「干し柿が嫌いという方は結構いらっしゃるんです。そういう方は、大抵、ただ干しただけで真っ黒になったカチンカチンの干し柿しか召し上がっていないようです。まずは私たちがお薦めするころ柿を食べてみてから判断していただきたいです」と八島さん。さらに、「ほし柿」は、(幸せを)を(柿)よせる、と言いまして縁起物とされています」等々。さすが、宮城を元気にする大きな役割を持つ、みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会の会長でもあるユーモラスな一言。