冬の蔵王町(その2)
蔵王町はこけしの里としてもよく知られています。遠刈田温泉を中心に発達したのが遠刈田系こけしです。その特徴は比較的大きい頭と胴の細さにあります。しかし、近年の地震の影響で、安定感を増すために胴が太くなってきているそうです。「みやぎ蔵王こけし館」では、その遠刈田系こけしをはじめ、全国の伝統こけしや貴重なコレクション、資料などを展示されています。販売コーナーにはポップで今風のアイテムが並んでいます。予約をすれば、こけしに絵付ができます。白木地のこけしに筆を入れる瞬間は緊張するが、独特の高揚感も楽しめます。伝統の模様に挑戦するもよし、自分の好みのこけしを誕生させるのもまたよし。
昼下がりの時間をゆっくり過ごすなら、カフェを訪れるのもいいでしょう。高原の雪景色を見ながら味わうコーヒーはまた格別の美味しさです。「Cafe fua」で提供されるのは、自家焙煎のスペシャルティコーヒーです。しっかり品質管理された鮮度の良い豆の、爽やかな酸味と甘さが満喫できます。プレスで淹れたコーヒーは、油分まで抽出でき、コクもあります。天然酵母パン、地元豆腐店の豆乳や、裏山のブルーベリーなど、この地ならではの味わいをプラス。一番人気は、皮はパッリ、中はモチモチ、ほのかな甘みが絶妙なベーグルだそうです。
そして、圧巻は「蔵王爽清牛」と「蔵王チーズ」の熱々コラボでしょう。蔵王町のブランド牛である「蔵王爽清牛」。仙台コカコーラボトリング㈱の工場で「爽健美茶」を製造する過程で出る"茶殻"と、蔵王酪農センターで「蔵王チーズ」を製造する際にできる"乳清"チーズホエス)を原料とした飼料で育てられています。成分分析で、牛肉の美味しさに大きく影響を与えているといわれるオレインが含まれているこがわかってきました。その蔵王爽清牛を、本場で美味しくいただけます。チーズシェッドの「チーズハンバーグ」は、蔵王爽清牛の手ごねハンバーグに蔵王チーズをたっぷりのせて焼き上げる。赤ワイン入れのソースとの相性も抜群です。