出島(いずしま)
出島(いずしま)は女川湾の北東に位置する、東西1.5㎞、南北3.3㎞の島です。あまり知られていないこの島ですが、江の島や金華山を眺望できる風光明媚なところです。島のシンボル的存在である厳島神社は、海の色や波形の彫刻が見られる色彩鮮やかな社で、その傍らには神輿殿があり、震災前には島人が神輿を担ぎ回って祭りを盛り上げてきました。
出島の名前の由来は、「日の出づる島」からきているという。女川町で最も古い早期の縄文土器が島の西側から発掘されておりますし、出島余名子館貝塚などから、3千年から5千年前からこの島に人間が生活していたことが窺われます。そして、その付近には夏草に覆われたストーンサークル(出島配石遺構)もあり、古代人へのロマンがかきたてられます。
円形に並べられた大きな石と、その石に囲まれた小山は、誰がどんな目的で造った建造物なのか、祭祀の場所なのか、あるいは古墳なのかは今もって謎に包まれています。島の東側の眺めも絶景で、四子の崎灯台、二股島、江の島、金華山が一望できます。出島桟橋の近くの階段を上ると、南北朝時代に建てられたという朱塗りの薬師如来堂があります。