新楽の「鴨そば」
刈田郡蔵王町遠刈田温泉にある「新楽食堂」は、創業50を超える店です。昔懐かしい食堂の情緒が残っているこの店の名物は「鴨そば」です。そば粉とつなぎのとろろ芋は蔵王産、平打ちの太麺に京都産のやわらかい鴨肉を使っています。鴨肉は薄くスライスすることでより食べやすく、くさみもなくなり旨みがでます。そして、圧巻は野菜のボリュームです。
というのも、自前の畑で育てた旬の野菜をふんだんに使っているからです。鴨肉から出る甘みと脂、そこに採れたての新鮮な野菜を合わせてとった汁はまろやかな味に仕上がります。そばと鴨の味は変わりませんが、野菜は季節ごとに変わるため飽きがきません。「せっかく畑から採れたのだから、お客さんにご馳走したい」とご主人の新山さん話しています。
朝は畑で収穫、それから店で打ったそばを出し午後は再び畑へ、その間店を切り盛りするのはおかみさんの圭子さんです。「うちでは暑い日でも、この旬野菜がたっぷりの温かい鴨そばはよく出るんですよ」。もりそばも、鰹節と羅臼昆布でしっかりダシをとったつゆが人気だそうです。また、キュウリとミョウガの漬けものなども一役買っているようです。