何も変わらない一日(308)
4月13日はわが家からムサシが旅立った日です。私の中で永遠に生き続けているので、特に変わったこととてないのですが、改めて振り返ってみると、もう4年たったことになるわけですが、そうした実感は全くありません。布団の中にはいると必ずムサシの柔らかい背中がそこにありますし、少したつと寝息もちゃんと聞こえてきます。
ただ、あの日のことを思い出すととても悲しくなるのは事実です。しかし、あの感動的な場面は絶対に忘れてはならないという矛盾した気持ちは未だに整理がつきません。ほかの出来事は数年経つと印象がかなり薄れてしまったり、時には、そんな出来事があったかどうかさえ忘れてしまうこともしばしばあります。それが毎日一緒ということなのでしょう。
ムサシは私の動物に対する偏見を見事に改めてくれました。ムサシと一緒に暮らすようになった当時は、「わが家のムサシだけは特別だ」と思っていましたが、今では、トラも心底から可愛いと思うようになりました。普段のムサシはアドバイスを求めると適切なコメントを返してくれますが、生き方についてはじっくりと時間をかけ、態度で教えてくれます。