ムサシの七不思議(その7続き)
まっさらな新雪が好きで、突入するのは豪快で私も嫌いな方ではありませんが、泥で汚れたデコボコに凍った道を好んだ理由が未だに解らないのです。一つだけ何とか理解できそうなことは、どんな場合でも散歩のコースを変えたくないという思いがあったのではないかということです。そうだとしてもこの頑固さは半端なものではありませんでした。
そういえば、この頑固さはだれかにそっくりだとある時気づきました。それは余人にあらず、私自身だったのです。といっても、ムサシに自分の頑固さなど押しつけた覚えはないのですが、彼が私の癖を見抜いて合わせてくれたのか、それとも、たまたま似た者同士が偶然出会ったのかは未だに謎に包まれたままですが。
どちらの影響が大きかったのかは別として、今でも臨機応変に散歩のコースを変更しないところは、家内からも融通が利かないと笑われています。それが何とも心地いいのですから不思議です。普段は自分の欠点をとやかく言われるのはご免こうむりたいと思っているのですが、ムサシに似ていると言われるのが誇らしいのかもしれません。