田里津庵の牡蠣尽くし
松島の中心街からやや離れた小さな岬に「田里津庵」があります。松の木の枝の間から眺める松島の景色はなかなかのものですが、ここで味わう冬の味覚の王様である牡蠣をふんだんに使った「牡蠣尽くし」を味わいながらの眺望は、時間のたつのを忘れさせてくれるほどで、明日の鋭気を養うのにぴったりな空間を楽しむことができます。
もともと、"松島で二番目に美味しい店"をキャッチフレーズにしていただけあって、家庭の味には叶わないという謙虚な姿勢を貫いています。その店が工夫を凝らして打ち出した「牡蠣尽くし」コースのうちでも、特におすすめなのが「牡蠣のカンカン焼き」でしょう。これは文字通りブリキ缶で牡蠣を蒸し焼きにしたものです。
焼きあがるまでの間、蓋の穴から上がる蒸気は、どんどん牡蠣の濃厚な香りを増してくるからたまりません。派手なパフォマンスこそありませんが、演出効果も抜群であるためか、評判も上々のようです。ほかにも、「牡蠣の揚げ出し」「牡蠣の田楽」「牡蠣フライ」など牡蠣のオンパレードは、「牡蠣尽くし」という名に相応しい冬の味です。