ブーランジェリー ジラフ
訪れるたびに、ぱっと目を引く魅惑的なパンと出会える店。「スタッフたちと色々考えながら、常に新しいパンを開発しています」と話すのは、代表取締役の高橋司さんだ。朝の7時に店を開けるため、昼夜逆転の生活をしているそうで、その口ぶりからパンにかける情熱が伝わってくる。発酵は、ルヴァン種やレーズン種、ホップ種、ローメン法を使い分ける。小麦粉は上質な粉として知られるキタノカオリを中心に、フランスや北アメリカ産のものなど、パンの特性に合わせて選んでいる。朝にぴったりなのは、焼きたてのフランスパン。伝統的な製法で作られるバタールや長時間発酵のバケットなど、小麦の味わいが堪能できる。
野菜たっぷりのサンドウィチ系もおすすめ。「自家製タンドリーチキチンサンド」は、オレンジ色のキャロットラペが気分を明るくしてくれる。パンはキタノカオリを使ったリュスティク(フランスパンの一種)で、水分量が多いため、弾力がありながら歯切れがよい。スパイスが香ばしいタンドリーチキンも手の込んだ味わいである。季節感が表現できるのもパンの魅力だ。丸型の「SAKURAのスイートブール」は、練乳クリームと桜餡が入っている。スイートブール生地をのせて焼いており、柔らかいクッキーのような食感と中のふわふわ感が楽しめる。「Brioche苺milk」は、パン生地の中にじゃがいもが練り込まれており、独自の製法によりもっちりとした仕上がりに。
フレッシュなイチゴジャムとマスカルポーネ、ホワイトチョコをミックスした苺ミルクのようなクリームとの相性も抜群。仙台名物のずんだを使った「blanchu(ずんだ抹茶)」も。クロワッサン生地で枝のように焼き上げたパンの間に、ずんだ餡とマスカルポーネ、抹茶で作ったクリームを挟んでいる。店名のシラフは「きりんの首のように長く、地元の方に愛される店でありたい」という願いから付けたとのこと。ジラフ(きりん)は、フランスでは「のっぽ」の意味で使われることもあるそうで、高橋さんは「自分をキャラクター化しているところもありますね」と笑顔で話してくれた。