塩釜港
塩釜港は漁船や貨物運搬船、観光遊覧船が行きかう町の顔。マリンゲート塩釜の対岸でマリーナを営む㈱くろしお・北浜マリンベースはカジキ釣の拠点として全国から注目を集めている。1993年から毎年秋に開催している塩竃カジキ釣り大会ではマカジキ、クロカジキなどで記録的な釣果も出ており、参加するチームは腕を競いながら交流を楽しんでいくろしおの日常は、オーナーから預かる船の係留やメンテナンスをはじめ、新艇や中古艇の販売、レンタルポートサービス、船舶免許取得の講習や試験など、釣りやクルージングを趣味とする人を支援するのが仕事。
海を愛する人々が集う場所である。社長の鈴木雅博さんは、塩竈の街づくりにも力を注ぐ。東日本大震災から始めたのはイルミネーション。「当時、北浜側は真っ暗でした。少しでも灯りがあれば皆の気持ちが明るくなるのでないかと思ってね」。高さ14mのヨットマストを使って色とりどりのライトをツリーのように吊り下げて飾った。また2013年からは夏に「カヌー体験」を開催。子供たちが塩竈湾内でカヌーやカヤック体験と生き物観察を楽しむイベントだ。2016年からは塩竃カジキ釣大会と同時に西埠頭「塩竃海感謝祭」もスタート。カジキ解体ショー&試食や子供向けのゲームコーナー、音楽演奏ステージなど盛りだくさんのプログラムで、大人も子どもにも大人気の祭りだ。
こうした活動は継続していくことが重要と鈴木さんは強調する。そのため行政やまちづくり団体、賛助企業など関係者に広く声をかけて協力する体制を作り、財政面の安定や人材の確保にも努力してきた。そうした取り組みが評価され、今年9月に一社ウォーターフロント協会の「みなとまちづくりマイスター」に認定され、国土交通省港湾局長より賞状を授与された。「イルミネーションは緑地公園からマリンゲート、浦戸諸島にも広げたい、千賀の浦奥部を親水公園として子供たちが海と子船で遊ぶ場にしたい。などいろいろと構想しています。海の仕事で生活できることへの感謝を地元に返し、発展につなげていきたいですね」。