みやぎの花:株式会社岸浪園
車を運転中、ふと道路わきを見ると、そこには色とりどりの花が咲き乱れている。またある時は、散歩コースの花壇の花が、いつの間にか新しい品種に変わっている。みなさんも、道路脇の花壇「植樹帯」を目にする機会は多いだろう。角田市の株式会社岸浪園、東北各県のホームセンター・生花店のほか、公共施設である植樹帯にも花苗を出荷する園芸農家だ。
現在は、仙台市青葉区・泉区・太白区の植樹帯用にさまざまな花苗を提供しているという。お伺いしたのは、専務取締役の岸浪裕樹さん。東京の大学を卒業後、そのまま自動車販売の仕事に就いたが、今から11年前、Uターン就農を決意した。「父が梅の実の栽培と、花苗の生産を行って、小さい頃から身近な仕事ではありました。就職して3年経った頃、やっぱり自分が家業を継ぐべきだなという思いと、会社の経営に挑戦してみたいという思いが重なって、花苗の部門を継承することにしたんです。
でも、花の名前を覚えることろから始まって、何とか育てて売ろうにも、計画通りに売れない。需要を的確に捉えられない。2~3年は本当に苦労しました。正直なところ、大きな赤字も出ましたした。でも世の中のルール、仕組みを知り、経験を積むうちに、軌道に乗るようになったんです」。欠品を出さないこと、必ず計画通りに納品することを徹底し、現在は市町村から委託を受けるほど、硬い信頼を得た岸浪さん。これからも信頼に応えられるように、堅実な花づくりを続けたいと話してくれた。