栗駒山麓の温泉宿
開湯1720年、ブナの森にある『新湯温泉 くりこま壮』は、秘湯の趣が漂う温泉だ。「近くには義経の隠し砦や、平泉の僧侶の修行場があったといわれているんです」と女将。秘湯にふさわしい秘話を伝える温泉で、数々の資料も展示されている。2㎞ほど離れた源泉から引いている温泉の湯守は、主人の仕事。台風や大雨の際、湯量を保つために夜中でも森へ作業に出かけていくという。4年前の夏、先代から受け継いだばかりの女将。「栗駒は自然がすばらしいところ。若い人にもお子さんがいる家族にも、どんどん来てほしいですね。"山に帰ろう"イベントもいろいろ企画されています」とご夫婦仲良く、意気込みを話しています。
栗駒山中腹、目に飛び込んできたモダンな建物の温泉が『ハイルザーム栗駒』だ。鈴木広之支配人のお話では、「ここは温泉と温泉プールがある宿泊施設です。お部屋にはメゾネットタイプもあって、家族連れのご利用が多いですね」。アルカリ食塩泉は角質をとり新陳代謝を高める湯で、健康にも美肌作りにもいい。標高650mという露天風呂からの伸びやかな解放感。『冬景色は青空と雪のツートンが清々しいばかりです。近年は、若いスタッフたちの企画で、雪の滑り台やスノーモービルコースなどのスノーパークを開設しました』とにこやか。和かんじき体験コーナーもあり、楽しみが広がりそう。
国の史跡である仙台藩花山村寒湯番所の隣り、落ち着いた和の佇まいが迎えてくれる『花山温泉 温湯山荘』。「周りは手つかずの大自然。わざわざここまでお越しいただいたお客様に、時間がゆったり流れるような、そんなしみじみとしたくつろぎを楽しんでいただきたいと思っています」と、高野兼支配人は話す。弱酸性アルカリ食塩泉の湯はリュマチにも効果があり、美肌の湯でもある。花山の紅葉は10月末から11月末と、ちょうど見頃。天然風呂に浸れば、目の前の濃厚な自然が錦に染まり目も楽しませてくれることだろう。また、この時期には花山寒湯番所の紅葉のライトアップも行われる。