映画「僕のワンダフル・ライフ」を見て
お母ちゃんの希望で、映画「僕のワンダフル・ライフ」を見に行くことになりました。ゴールデンレトリバーが主役ということで、オヤジも二つ返事でムービックスに向かいました。ストーリーは、少年に命を救われたゴールデンレトリバーの子犬が、何度も姿を変えて生まれ変り、最後に主人と巡り会うという感動の場面がクライマックスの物語ですが、オヤジもお母ちゃんもそれほど感動したようには見えませんでした。ボクはとても面白いと思ったのに、どうしてかなぁ?と思って、オヤジに聞いてみたところ、意外な返事が返ってきたのです。
その理由は、ボクの口から言うのは気が引けるのですが、二人とも映画を見ながら、ワンちゃんの生きざまとボクを比較しながら見ていたというのです。主人公のゴールデンレトリバー(ベリー君)が年老いていくあたりまでは、ボクと重ね合わせ、ストーリーの中に入り込んでいたようですが、その後、彼は次々と別のワンちゃんに生まれ変わり、違う飼い主と暮らすようになる。もちろん、その間も最初に命を助けてくれた少年(当時)のことを思い、いつか再開できることを信じて、何度も生まれ変わってきたのですが、その辺があまりピンとこなかったようです。
つまり、ボクの生き方と全く違っていたからでしょう。ボクは何の抵抗もなく、自分の居場所はここしかないと思って住続けているわけです。それがこの映画では、何度も生まれ変わるという信じがたいものだったからでしょう。もっとも、人間も動物も生まれ変わるというのが定説で、むしろ、わが家のようなスタイルの方が異質なのかもしれません。ただ、いつものようにストーリーの面白さを楽しむことができなかったことが残念だったという単純なものではないのかもしれません。特にオヤジはボクと同じ目線で画面のワンちゃんを見詰め、家族の絆を確かめ合いたかったに違いありません。