力強い応援メッセージ
お正月気分もぬけ、平静を取り戻しつつあったある日の午後、お馴染みのお客様がひょっこり来店してくださいました。そのお客様は、仕事で年に数回塩釜にいらっしゃるのだそうですが、その度に当店にも顔を出してくださいます。60歳代半ばと思われるその男性は、いつもは寡黙で、あまりおしゃべりが好きではないように見えたのですが、その日は、珍しく自分の仕事や生活習慣などについて、とても滑舌にお話してくださいました。
あまり流暢に話されるので意外でしたが、こちらもつられて、楽しくおしゃべりすることができました。そのお客様がいわれるには、「最近は小売店も大変だよね!消費者は店をショールーム代わりに使っている。ブランド品や家電製品などは、店舗では買わず、ただ物色するだけで、実際に買うときはそれを参考にして、格安なものをネットで注文する。中には、店の中からスマホで注文する強者もいるというから驚く。これでは既存の小売業はたまりませんよね!」。
さらに続けて、「その点、おたくはいいよね!小さくても私のようなファンがいるから!塩釜にきて、笹かまを買って帰らないと仕事が片付いたような気がしない。先日も、仕事を終えて帰る途中、インターの手前で、笹かまを買っていないことに気がつき、戻ってきたことがあった。笹かまが死ぬほど好きというわけではないので、そのときの笹かまは高くつきましたよ。でも、あの時いただいた漬物は美味しかった。家族も大喜びだったので、帳消しというところでしょうか!」。
笑いながら、爽やかに話されたお客様の言葉がことのほか身に染みました。それといのも、年頭のご挨拶(わが家のムサシ)で申し上げました通り、今年の当店のテーマは、「商品にサービスを付け加えて品質を高めよう」としました。お客様が何気なく話された言葉は、思いがけない「お年玉」となり、この一年も元気で"お客様から預かっている店"を守り抜こうと決意を新たにしました。これからも、多くのお客様の小さな声に耳を傾け、テーマに恥じない雰囲気づくりを目指したいと思います。