お母ちゃんとオヤジの珍道中(浅草編)
1時間以上並んでやっと食べることができたラーメンは、"さすがに美味しかった"と心に言い聞かせながら、翌日は東京・浅草に向かいました。前日のようなハプニングもなく、比較的スムーズにホテルに到着することができました。ホテルに入ると、その日はいつものお母ちゃんらしく、早速情報収集をはじめ、お目当てのスカイツリーの混雑状況、それを避ける秘策、夕方の浅草寺仲店通りの散策、演芸ホールの出演者などを細かくチェックしていました。その後向かったスカイツリーでは、おかげでそれほど待ち時間がなくエレベーターに乗ることができました。
それでも、せっかちなオヤジが、エレベーター案内係のお姉さんに向かって、「なるべく急いでください」などと言いださないか心配でした。それもそのはず、あっという間に展望台に到着。富士山こそ見えなかったものの、文字通り360度、東京が見渡せました。お母ちゃんもオヤジも、特に高所恐怖症というほどではありませんが、底が透明なガラスになっていて下界がもろに見えるあの通路だけは二人とも避けて回り道をしていました。以前、東京タワーで同じ経験をしたことのあるオヤジは、その時のことが脳裏によみがえったのかも知れません。
スカイツリーを見学してホテルに戻ると、タイミングよくチェックインの時間だったので、さっそく部屋に入ると、スカイツリーと浅草寺が一直線に見える最高のスポットで、これまでの疲れがいっぺんに吹き飛んだような感じがしました。しばしの間、目の前の光景に見入っていました。一休みして雷門に向い、仲店通りを散策したのち食事、そして最後は演芸ホールでお笑いを満喫しました。翌日も順調に予定をこなし、かなり早めに東京駅に到着しました。時間が中途半端だったので、帰りの電車を1時間繰り上げて帰ることにしのですが、ここで3度目のハプニングが起こりました。
2度あることは3度あると言いますが、まさにそのジンクスが的中したのです。新しい切符を手に入れたまではよかったのですが、いざホームに上ってみると、目あての車両が思いのほか遠く、またもや走らせられる羽目になったのです。3度目と言うからには2度目があったはずですよね。言い忘れていましたが、一昨日も、横浜でもひどい目に遭ったのです。それは、「受付を済ませてから会場に至るまでの道のりがあまりにも長く、途中で何度も休みながらようやく辿り着いたのです」。ようやく3度目の難関を乗り越えて、電車に間に合い座席についたとき、お母ちゃんが言いました。"お父さん!足大丈夫ですか"その時のオヤジの複雑な表情を想像してみてください。