まだ学びきれていないムサシの教え
わが家のムサシは決して過去のことをほじくり返し、恨み事を言うことなど決して言いません。この姿勢は学ぶべきだと思っていながら、未だにその教えが身についていません。ムサシ流の物の考え方は、経験によって培われてきたものかどうかは解りませんが、生まれて間もない時期にわが家に来て以来、一度も私たちの裏切りを責めたことがありません。
例えば、彼が私たちと一緒に出かけたいと懇願しているのに、連れて行けなかった時、子供たちだったら、何故連れて行かなかったと必ず攻められるが、ムサシは、ひたすら帰ってきたことを歓迎し喜びを全身で表現する。これができればどんなに人間関係が豊かになり、自分も一回り大きくなれるのにと思ったことは一度や二度ではありません。
それでも、その教えを守ろうとするだけでもかなりプラスになっています。しかし、本物になっていないため、相手をつい攻めてしまったりすることがあり、気まずい思いをすることも多々あります。その度に、ムサシに向かってすまないと詫びるのですが、ムサシは顔を曇らすことすらありません。それがまた自分のふがいなさを再認識する時です。