金のさんま
気仙沼市の斉吉商店では、三陸の海で育った美味しいさんまを、丁寧に手作りで炊きあげ、「金のさんま」という人気ブランドに仕上げていきます。この人気の秘密は、さんまを炊いた後、煮汁を濾しとり、決まった濃度に煮詰めた「返しだれ」によって、ほどよく色づけられ、味もいっそうまろやかで深みが増してくるのだということです。
大震災による津波で、この「返しだれ」を乗せた保冷車が従業員と共に流されてしまいました。幸い従業員は無事脱出できたそうですが、三日後に、瓦礫に埋もれていた保冷車が見つかり、奇跡的に「返しだれ」も見つかりました。工場は全壊でしたが、「セキュリティ被災地応援ファンド」により資金を集めることができ、再建の目途がつきました。
しかし、なかなか工場を借りることができず奔走しましたが、その甲斐あってようやく長年付き合いのあった人たちから借りることができ、生産に取りかかりましたが、工場を度々変えることにより、鍋などの調理器具の使い勝手が変わるため、中々元の味に戻せませんでしたが、ようやく復活させ、またこの商品を作ることができるようになりました。