ムサシのあご髭
先日ひょんなことからムサシの髭を見つけました。ベッドの回りを掃除していた時のことです。晩年のムサシは眉毛も髭も真っ白になっていましたから、かなり若い時のもののようです。どうしてこんなところにあったのかと一瞬思いましたが、毎日一緒に寝ていたのですから、何ら不思議のないことだとすぐに気づきました。
ムサシの顔はラブラドールの中でも少し面長で、晩年は少しほほの肉が落ちたせいかよけいに面長になったと感じていました。若い時は元気いっぱいで動き回っていたので、正面からカメラを向けるのが大変でしたが、晩年になるとすっかり落ち着いて、時にはカメラ目線でポーズをとってくれることもしばしばありました。
私たちはその時の表情がとても気に入っていました。柔らかく落ち着いた表情でありながら、どことなく威厳があり横丁の御隠居さんという雰囲気があったからです。太くて長くしかも黒々とした髭も確かにムサシらしさの象徴なのでしょうが、あの白い穏やかな顔はムサシの生き方そのものを物語っているように思えてなりません。