ホヤの酢の物
またまたホヤの話で恐縮ですが、今年のような酷暑にはぴったりのたべものであるため、再登場させることにしました。ホヤは平安の昔から食べられていたという記録があり、種類も多いのですが、宮城県産はマボヤと呼ばれるものです。6月から8月が旬で、グリコーゲンの含有量が冬季の8倍もあり、甘み、旨味が最高だといわれています。
養殖生産は明治時代終期には始まっていたようですが、その後養殖技術の改良が重ねられ、昭和初期から養殖業として確立されるようになりました。養殖ホヤは、採苗してから3年目から4年目(3年コ、4年コ)のものを5月から8月にかけて出荷します。円形のものが肉も厚く身が充実していて、新鮮なものほど独特な香りと若干の苦味があります。
食べなれない人にとっては、ちょっととっつきにくい面もあるかもしれませんが、一旦すきになると熱烈なフアンになってしまう人も多いようです。この風味のもとは、ホヤ特有の不飽和アルコールやアミノ酸類によるもので、食べた後に水を飲むと口の中が甘くなります。ビールなどでも同じ感じがするため、酒の肴としても珍重されています。