奥州仙臺七福神巡り 南谷山 福聚院(2)(太白区門前町)
しかし、時は戦国の世。町には親を亡くしたり、親とはなれてしまったりした孤児があふれていました。布袋さんはそんな孤児を子供のいない夫婦に引き合わせるという、今でいう福祉活動までしていたのです。大変驚きました。これはまさに曹同宗の開祖・道元禅師の経典「修証義」に記された「自末得度先度他の心を発すべし」を体現しているに他ならなかったからです。つまり、自ら救われる前に、すべての人々救おうという願いの心で行動することの実践。生きているときから人々を救う活動を実践していたのだから。
なくなってから七福神の一柱に数えられるほどの神様になるのも納得します。1496年に開山した歴史ある福聚院の本堂は、1984年に完成したどっしりと福々しい布袋さんが鎮座しています。最初の印象は「大胆な佇まい」。机の色つやもまるで生きているようで、ドキドキします。小さな子でも触れられるように脇には段が設置されており、「子どもを愛した布袋さんらしいな」とほっこりしました。前方には位牌が置かれ、裏には「獄林寺東回廊 917年3月3日遷化」の文字が。
そのリアルさが確かに実在した人物であり、今なお神様となって見守ってくれていることを実感させてくれます。日の光がよく入る本堂を見渡していると「お寺の本堂も明るい方がいいでしょう」という住職が一瞬、布袋さんに見えたのは気のせいでしょうか? そういえば、布袋さんが亡くなる間際に「弥勒は真の弥勒にして、分身は千百億なり、時々に時人に示すも、時人自ら識らず」(本当の弥勒菩薩はたくさんの分身がいて、いつの時代にもいるのに、人は気づかないものだなあ)という言葉を残したことで、弥勒菩薩とも同一視されています。もしや福聚院の住職も? そんな想像を掻き立てられました。
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株式会社 すゞき物産 店主