蔵のまち村田(2)
村田町は、豊かな自然に恵まれた地。その大地でとれる米や野菜は村田ならではの新鮮な美味しさにあふれている。村田といえば、初夏の空豆。茎から空に向かって実る大きなサヤが特徴だ。大粒の実には、タンパク質、植物繊維、ビタミンなどが豊富。新鮮なそら豆は塩茹でしただけで美味しく、ビールや酒のつまみにもぴったりだ。もう一つは夏から初秋にとれるとうもろこし。「味来」スイートコーンの一種で、黄色の粒がきれいに揃っている。果物のような食感で、生でも食べられるうえ、茹でるともっと甘みが増す。また、村田特産のそら豆はパウダーに加工され、様々な食品に使われている。
コシの強いそら豆うどんや和洋中などの料理にも使えるそら豆米粉麺は、きれいな緑色で歯ごたえも良くさわやかな味だ。そら豆アイスもおすすめ。最高級のバニラアイスクリームにそのそら豆の風味が加わってなめらかな食感がいい。町内の菓子店では、それぞれに工夫してそら豆を使ったケーキ、焼き菓子、饅頭などを製造しているので、ぜひ試してみたい。その他、季節ごとに数十種類の野菜、もちもち食感の米・ひとめぼれが栽培されている。そして仙台牛。里山の牧場で、清潔な牛舎、健康的な飼料、森の湖水で育てられた黒毛和牛の肉は最高級の味わいだ。さらに特筆したいのは、村田には、伝統の発酵食品があるということだ。
日本が誇る発酵食品は、各地で昔から育まれてきたもの。村田にもその伝統がある。やはり欠かせないのが、町内で製造される味噌。桜中味噌店の味噌は、宮城県産、国内産の米と大豆を使い、添加物を加えない昔ながらの製法で風味豊かな逸品に仕上ている。納豆も日々食卓に上がる伝統の食品だ。地元で知らない人がいないというのがグリーンパール納豆。宮城県産の大豆を使って職人が手作りしており、全国納豆鑑評会で優秀賞を受賞している商品もある。酒といえば「乾坤一」。製造元の大沼酒造店では1712年に創業し、300年余りの歴史をこの地で刻んでいる。宮城県産ササニシキを中心に使い、南部杜氏の技で地元らしい味わいを表現する酒造りを行っている。