パストラル縁の郷(大里町東成田)
庭園に立つと、歯科医が広がる空の大きさに驚かされる。「パストラル縁の郷」は、仙台市中心部から車で40分ほどの距離にあり、広大な敷地を活用したプログラムを提供している。田植えから始める農業体験や野菜の育成・収穫体験、星空観察や紅葉狩りなどの自然体験、大郷町で栽培された農産物を使った料理体験など、多種多様である。もっとも人気なのは、9月下旬から11月初旬に行われるさつまいもの収穫だ。
さつまいもの畑にはマルチ(地中温度の調節や雑草対策のために畝にシートをかけること)が施されているので、事前に予約をして、施設担当者に外してもらっておく。スコップ等は貸してもらえるが、動きやすく汚れてもいい服装や軍手、長靴は必要である。掘る際には、さつまいもを傷つけないようにするのが肝心。まず、根本から少し離れたところに直角にスコップを入れ見る。赤く色づいたさつまいもが見えたら、周囲に再度スコップを入れるか、手で土をよけながら掘り出す。前もって連絡しておけば、小さい子供でも掘りやすいよう、土をやわらかくしておいてくれる。
とはいっても、子どもは昆虫などに興味を持つことが多く、付き添いの大人の方が、がぜん張り切って掘り起こしているそうだ。さつまいも畑の周辺は、あけびや栗、山椒などが自生しており、散策するのもいい。野鳥やカモシカ、キツネ、たぬき、ハクビシン、イノシシなどが姿を見せることもあるという。おなかが空いたら、敷地内にあるレストランへ。大郷町で栽培された新鮮な野菜や、スイーツを満喫したい。また、ダイナミックな夕映えの風景は圧巻。宿泊施設を利用すれば、満天の星空や清々しい朝の景色も堪能できる。