プリ旨ほやのへそ
夏の味覚、ほや。宮城県は、北海道に次いで全国生産量2位を誇ります。ところが、苦手意識のある方も多く、特に関東以西では馴染みがないのが現状です。今回は、長年の経験と知恵でえぐみやくさみのないほやづくりに努めていらっしゃる本田水産さんに伺い、「プリ旨ほやのへそ」の製造現場を取材しました。宮城県水産加工品品評会で数々の受賞経験をもつ本田水産株式会社。社長の本田さんは、石巻のほや「とても色がいい」と評します。「きれいな色をしているでしょう。北海道が一番の生産量だけれど、その種は宮城のもの。種は特に鮫浦(石巻市)でよく獲れます。
それだけ石巻海域がほやが育つのに適した環境だということです」。毎日、石巻海域の浜から獲れた約3トンのほやが運ばれてくるとのこと。そして、この時点でひとつ独自の手間暇をかけていることを教えてくださいました。「鮮度に気を付けているのはもちろんですが、それだけでは美味しいホヤになりません。実は、ここに運ばれてきたホヤは、水揚げ後に1日餌断ちをして、フン出しをしています。これによって、ほやのえぐみやくさみが大きく減るわけです」。実際に食べさせていただき、そのプリっとした食感とあっさりした味わいに驚きました。実はほやは苦手というひとも、これなら食べられると太鼓判。
「ほや漁は通常3月から始まりますが、ほやのへそは肉厚になる8月から9月に水揚げしたほやを使っています。そして、ホヤの中で最も厚みのあるへその部分は、1個のほやから1つしかとれない希少なものです」と本田社長は話します。「もともと料亭に卸すためのものでしたが、えぐみが少ない部位なのでとても食べやすく、全国の多くの方に届くよう古今東北の商品になりました。栄養価も高いんですよ。昔は農家さんが、田植えを手伝ってくれた人たちにほやと酒をふるまったものです。すると、疲れがとれて、翌日も元気で働けたんですね」さっと洗って酢醤油で、またはわさび醤油でお刺身のように食べるなど、簡単にほやの希少でおいしい部分を味わえる「プリ旨ほやのへそ」。ぜひ試し下さい。