亀喜寿司(塩竃市新富町)
「いろんな魚が宝物のようにたくさん獲れて、種類豊富で高品質。夢のような環境です」と塩竃の魅力を語る店主の保志さんは老舗寿司店「亀喜寿司」の五代目。寿司のまち塩竃の特徴は「寿司と人の距離が近い」ことだという。「塩竃の人は寿司が大好きです。それぞれの店にそれぞれのファンがいて、日常的に寿司を食べる。
地元の人にとって寿司は食事なのでシャリは大きめ、お腹いっぱい食べることが当たり前です」。そんな塩竃で寿司を握るためにこだわってきたことは、「軽く、スムーズに食べてもらうこと」。店ではシャリを気持ち小さめに、マグロは包丁技で口の中でほどける食感に仕上げる。真イワシを程よく熟成させるのも軽い味わいにするためで、隠し包丁を入れると口の中でスッと溶ける。
長い年月かけて考案した「すり身入り玉子焼き」は、最後に食べても重くないようにふんわりととろける食感に仕上げた。「寿司屋のカウンターにケーキのような玉子焼きがあってもおかしくない時代になった」。自由な発想で新しい時代の寿司を作り続ける「亀喜寿司」で、未体験の味に出会いたい。